コラム|海上輸送の慢性的な遅延について

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パルック貿易担当のMです。

本日は最近、仕事で悩んでいることについて書いてみたいと思います。

ずばり海上輸送遅延です・・・同じ悩みを抱えている同業者の方も多いのではないでしょうか?

 

■中国の華南地域(深圳/東莞など)からの海上輸送(船便)スケジュール

2020年頃

工場出荷~現地港CY~現地出港~日本入港 ⇒ 最短6日間

 

2022年現在

工場出荷~現地港CY~現地出港~日本入港 ⇒ 最短10日間

 

■海上輸送遅延の経緯

2021年5月末

・深圳港(蛇口)で港湾職員のコロナ感染が発覚

・中国政府の指導により深圳港に寄港する全船舶に対して消毒後の入港が義務化

 

2021年5月末~7月末頃まで

・消毒作業待ちで入港が平均して約3~4日、最長で7日間の遅延が恒久化

・深圳港の大幅な混雑により寄港しない(SKIP)船便も発生

・遅延+船便減少の影響で貨物スペース確保も難しくなり遅延が深刻化

 

2021年6月~現時点

・納期優先による船便⇒航空便変更により深圳または香港~成田着フライト輸送が増加

・輸送量増加による航空便貨物スペース確保が難しくなり約1~2日遅延が発生

・台風や現地悪天候に船便と航空便ともに遅延が発生

 

2021年8月~現時点

・船便の遅延が少し緩和されてきたが。それでもまだ約1~2日の深圳入港遅延が続く

・更に出港後も台風など悪天候により約1~2日の遅延が発生しており、全体で約2~4日遅延

・8月中旬に上海の浦東空港職員のコロナ感染が発覚して空港封鎖

・一部の航空便貨物が深圳または香港経由となり貨物増加による遅延発生

 

 

■弊社海上輸送実績

2021/8/20(金)工場出荷/航空便

計画:深圳発/日本着 8/21(土)⇒通関8/23(月)⇒弊社倉庫納品8/24(火)

実績:深圳発日本着 8/23(月)⇒通関8/24(火)⇒弊社倉庫納品8/25(水)

※1日遅延

 

2021/7/31(土)工場出荷/航空便

計画:深圳発/日本着 8/1(日)⇒通関8/2(月)⇒弊社倉庫納品8/3(火)

実績:深圳発/日本着 8/3(火)⇒通関8/4(水)⇒弊社倉庫納品8/5(木)

※2日遅延

 

2021/7/1(木)工場出荷/船便

計画:深圳発7/3(土)⇒日本着 7/8(木)⇒通関7/12(月)⇒弊社倉庫納品7/13(火)

実績:深圳発7/9(金)⇒日本着 7/14(水)⇒通関7/16(金)⇒弊社倉庫納品7/19(月)

※6日遅延

 

2021/7/28(水)工場出荷/船便

計画:深圳発7/30(金)⇒日本着 8/3(火)⇒通関8/5(木)⇒弊社倉庫納品8/6(金)

実績:深圳発8/2(月)⇒日本着 8/6(金)⇒通関8/12(木)⇒弊社倉庫納品8/16(月)

※10日遅延

 

弊社では遅延対策として船便⇒航空便、上海経由船便といった輸送方法や経路変更を行っておりますが、どちらも追加費用が掛かるので根本的な解決策になっていないのが現状です。

ちなみに船便⇒航空便は2~3倍、上海経由船便は1.5倍程度の輸送費用アップがあります。

今週末より中国では春節休みも明けて本格的に生産工場の稼働がはじまるのですが、海上輸送の遅延や現地CY混雑などが、どの程度緩和されているのか未知数なので引続き現地情報を取得しつつ注視していきたいと思います。